探偵もチームワーク
更新日:
世の中には大小さまざまな会社や組織、身近なところでは町内会、果ては趣味の〇〇研究会など、ありとあらゆる集合体が存在します。
よく観察してみますと、どこの集まりもこれまた皆、様々な個性の集団ということに気づかされます。
よくもまあ限られた枠の中でこれほど異質な者同士が摩擦も起こさずに上手く纏まっているものだとつい感心してしまいます。
かくいう我が探偵も御多分に漏れずなのかも知れません。
そんな我が探偵事務所にも短気な人、のんびり屋さん、几帳面な人、大雑把な人などなど様々な個性がぶつかり合ったりしていまして、端で見ているだけでも結構、人間観察になります。
ところがその一見纏まりのない探偵事務所も、いざという時には少々事情が変わるようです。そのいざとは勿論大事な仕事の時のことですが、いざ仕事となりますと普段馬が合わず口喧嘩ばかりの者同士が不思議なことに一転して力を合わせ、良い仕事をするのです。
まるで普段は敵同士の動物なのに、生き残るためにその瞬間だけ協力しあうかのように。
そして仕事が片付くといきなりまた元の馬が合わない者同士、お互いそっぽを向きます。
こんな調子でよく仕事が出来るものだと不思議に思いますが、また次の仕事、それもここぞという時になるとやはり力を合わせ良い結果を出してきます。
人は日常ではない時、例えば旅行の時などに、その道連れの本性が判るなどと言います。
弥次さん喜多さんの東海道中ではないですが、ひょっとしたら馬が合わない者同士、意外にお互いの弱点を認め合い、長所も認め合っているのではないでしょうか。
いざという時、自分一人では上手くいかないのが分かっているので、お互い自分にない相手の長所を生かそうとしているのではないでしょうか。
それでも皆、自尊心などが邪魔をして普段は格好をつけていますが、心の奥底ではお互いを認め合っているのかもしれません。
きょうもまた、我が探偵仲間が馬の合わない者同士、お互い罵り合いながらも一仕事しているようです。