探偵の眼
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<p>狙った獲物は逃がさない。遠くから獲物を狙う鷲や鷹を代表とする猛禽類の視力、人間界に目を移せばアフリカのマサイ族の4とも5とも言われる視力。数キロ先の物が見えると言います。どちらも私達にとっては想像もつかない世界なのでしょう。でも、マサイ族とまではいかないにしても、我々探偵もこと目に関しては人並み以上の自信を持っています。なにせ視力の低下はプライベートアイ(探偵)にとって命取りになりかねませんので。だから探偵は皆、目には異常な位に気をつけています。遠くの緑を見るのが目に良いと言って、わざわざ家族を連れて田舎に引っ越した者もいるかと思えば、細かい文字は目に悪いとかなんとか言って新聞を読まない者までいます。効果の程は育毛剤と同じでどれほどのものかは分かりませんが、兎に角、探偵はそれぞれのやり方で目を大事にしていることだけは間違いありません。また、単なる視力ではなく動体視力も探偵にとって重要なスペックとなります。かくいう私も探偵になりたての頃、視力は良いはずなのに肝心の動体視力がないおかげで、しょっちゅう見間違えては先輩に迷惑を掛けていました。かつて打撃の神様と謳われた元プロ野球巨人軍川上哲治監督の現役時代、ボールが止まって見えると言っておられたそうです。かのイチロー選手も子供の頃、時速200数十キロで通過する新幹線の中の乗客を判別していたという逸話も残っていますし。そうなるともう達人の域でしょう。瞬時に人や物を見分ける力を養うには勿論、個人差もあるでしょうが、私は最終的には常日頃の訓練と実践しかないと思っています。でも中には趣味と実益を兼ねてかどうか、パチンコ屋に通い詰める者さえ出てくる始末です。そのパチプロいわく、パチンコ台と格闘の末、遂に高速で回転するスロットの絵柄の見分けがつくようになったそうです。一体、そのためにどれ位パチンコにつぎ込んだのかは一切教えてはくれませんが訓練?による訓練により、いつの間にか動体視力が上がったということです。このように健康、何よりも目に関しては人一倍気をつけて(お金もかけて)いる私達です。</p>